SE時代に感じたテクノロジーと人間関係の希薄さについて

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人間関係の希薄さについて
現代社会はITが急激に進化し続けています。
10年前に登場したスマートフォンは今やだれもが持つようになり、AI・IoTなど、5年前にはさほど聞かなかった言葉も一般人に普及してきつつあります。
テクノロジーの進化と比例して起きることが「人間関係の希薄さ」だと思っています。
なぜこのテーマについて記事を書こうと思ったのかというと、私自身がシステムエンジニアとして働いていたときに感じていた問題意識でもあるからです。
システムエンジニアの特徴の1つとしてあるのが、「効率性」をとても重要視する点です。
ITの力自体が人間の体を便利にしたり、時間を短縮するという、いわゆる効率化を進める道具でもあるため、直接的な人と人とのコミュニケーション自体も減少させる方向に力が働くのでしょう。
電話がなかった時代は人と人とが直接会うことでしかコミュニケーションは取れませんでした。
電話が生まれ、直接会わずとも話せるようになり、インターネットが普及して、メールという文字情報でもコミュニケーションが取れるようになりました。
他にもSkypeやZoomを使えば映像と音声でのコミュニケーションも可能ですし、LINE電話によって電話代を気にせず通話できる時代になってきています。
物理的な距離を超えて人と人とがコミュニケーションを自由に取りやすいようになってきているのは、まぎれもなくテクノロジーの進化による恩恵でもあるでしょう。
システムエンジニア時代の問題意識
私がシステムエンジニア(SE)をしていたときに感じた、人間関係の希薄さを物語るエピソードがあります。
SEには納期絶対主義という風潮があるため、時間に対してはかなりピリピリした雰囲気があります。納期直前ともなると、職場には緊張感が走り、話す人自体、少なくなってきます。
納期に間に合わせるため、時間を有効に活用したり、無駄と思われるコミュニケーションを行わない人が多いのです。
例えば、席が隣の人とコミュニケーションを取るときにも、話しかけることなく、チャットでコミュニケーションを取るのです。物理的な距離で言うと、1メートルもないくらいの至近距離です。
複数人同士がやり取りする用途でもあるチャットなのですが、当時私は心の中でつぶやいていました。
「近くにいるんだから、直接話せばいいじゃん。。」
しかし、人は環境に影響を受けるものです。
しばらく時間が経過し、仕事が忙しくなってくると、自分自身も人とのコミュニケーションに効率性を重要視するクセが付いてきました。
テクノロジーが進化すると、直接的なコミュニケーションよりかは、間接的なコミュニケーションの方が便利になり、対面でのコミュニケーションを重要視しない傾向が高まっていきます。
テクノロジーを活用するとなると、人に直接話しかけなくてもよいという意味で、楽に感じる人も多いのではないでしょうか。
その深層心理の奥には
今、このタイミングで声をかけたらどう思われるだろう?
という「人からどう思われるか?」を基準とした奴隷精神での意思決定があるのではないでしょうか。
奴隷精神ではなく、「自分がどうしたいのか?」という主人精神での意思決定が重要です。
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