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個人主義×IT=?

個人主義×IT=?

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私は両親が教師をしている家庭に3人兄弟の次男として生まれました。兄弟は2つ上の兄と双子の弟です。

小さいころから双子の弟とよく比較され、それがとてもイヤでした。家でも学校でもどこにいっても双子の片方として見られることがイヤだったんです。自分の存在理由や存在意味を失っていきました。

中学、高校くらいから人間関係が面倒になってきた私は、あまり人に興味がわかなくなり、話すことも少なくなりました。

人と仲良くなろうともしないので、人との関係を通して感動することもないし、だんだん自分が何を感じているのかすら分からなくなりました。感情がマヒしていったんです。マヒに気づいた今でこそわかりますが、マヒはかなりヤバイです笑。他の人からするとどうみても限界でも、当の本人にその自覚がないからです。

人間関係が面倒くさかった私はコンピュータの世界を仕事として選択します。高校3年のとき、進学先を情報系大学にしぼり、システムエンジニア(SE)になることを決めます。コミュニケーションの対象を人間からコンピュータに変えたのです。

人間はAと言うと、人によってBとかCとかいろんな答えを返しますが、コンピュータでは必ず答えは1個です。人間は裏切るけど、コンピュータは裏切らない。当時はそう思っていました。科学が進化すれば人間は幸せになれるという、無意識で科学に対する絶対的信頼もありました。

このように超個人主義人間ができあがりました(笑)

SEになってみて気づきましたが、SEにはそういう人種の人が多い傾向があります。人とのコミュニケーションに対しては消極的で、コンピュータを相手に対話することを好む人が多いです。

このような人たちが量産されていくといったいどのようになるでしょうか。SEをしていた当時はそのような問題意識は全くと言ってよいほど持っていませんでした。しかし、インターネットが発達したことで、テクノロジーの進化スピードは加速度的に増加しています。テクノロジーによって人間の生活はどんどん便利になっていきます。

一方で、人と人とは本当に分かり合えていたり、一人一人は自分の可能性を100%発揮できているのでしょうか。自分のやりたい方向性を持っていたり、自分なりの幸せを達成している人はいますが、それはかなり限定された人たちです。多くの人が鬱や自殺になっている今の日本をみると、多くの人が人間関係や仕事、さらには人生に対する希望を持ちにくい社会環境にあると言えます。

一人一人の認識構造と社会構造、この両方を変化させることができる技術が求められます。私はその技術こそ「認識技術」であるという確信を持っています。