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今の常識が非常識だった時代~医者の手洗いが笑われていた?~

今の常識が非常識だった時代~医者の手洗いが笑われていた?~

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AIを超えるGI創造者、よしじゅんです。いつもブログを読んでいただいてありがとうございます。

今日のテーマは「診断ミスが及ぼす影響」です。

診断とは

「診断」と聞くと、頭に浮かびやすいのがお医者さんではないでしょうか。病院に行けばお医者さんが診断してくれます。例えば、頭が痛くて熱が下がらない時に病院に行って、あなたは目の病気ですよ、と診断されたらどう思うでしょうか?ふざけんな!と文句も言いたくなるでしょう。

これは極端な例ですが、診断が間違っていれば処方も見当違いなものになってしまい、解決すべき問題も解決されず、さらに深刻化してしまいます。このような診断ミスが歴史上で何度も繰り返されてきました。

外出から家に帰ってきた時やトイレを済ませた後、日本人の多くの方が手を洗うのではないでしょうか。これは子供の頃から手洗い習慣の重要性を教えられてきたことで習慣化しているからです。特に日本人は海外と比較しても清潔だと言われています。

一般人でも手を洗うのですから、患者の体を扱う医者はもっと清潔にするのが当たり前だと思っています、よね?しかし、実はそれも現代の当たり前に過ぎません。昔は違ったのです。

産後すぐの母親の死亡率

1840年代のヨーロッパでは、子どもを産んだばかりの母親が、産褥(さんじょく)熱と呼ばれる病気で亡くなるケースが多かったそうです。

ハンガリー出身の医師、ゼンメルワイス・イグナーツが勤めていたオーストリアのウィーン総合病院には、2つの産科病棟がありました。一方は男性医師たちが、もう一方は女性助産師たちが担当していました。

ゼンメルワイスは、助産師が赤ちゃんを取り上げたときのほうが、産褥熱での死亡率がはるかに低いことに気が付きました。男性医師たちが担当した場合は、助産師が担当した場合に比べ、母親の死亡率が2倍に上ったのです。

死の原因

ゼンメルワイスはついに真の原因を発見しました。それが解剖用の死体だったのです。医師たちは午前中、医学生の解剖実習を監督していました。一方で、助産師たちは解剖用の死体と接触する機会はなく、産科病棟でのみ働いていたのです。

ゼンメルワイスは「死体の微粒子」が医師や学生を通じて母親たちに移されているのではないかとの仮説を立てました。当時は今とは違い、医師に診察の前に手を洗う習慣はなかったそうです。

仮にゼンメルワイスの発見が真実だとしても、彼のアドバイスにあるように、妊婦を診断する前に毎回手を洗うことは、面倒過ぎると反論されました。また医師たちは、自分たちの職業はきわめて神聖であるから、手が汚れているということはあり得ないと主張していたのです。

死亡率を低下

1848年、ゼンメルワイスは消毒の範囲をさらに広げ、産婦に接触するすべての医療器具も消毒するよう命じました。その結果、産婦人科病棟から産褥熱はほぼ完全に撲滅されました。

その後、ハンガリーへ戻ったゼンメルワイスは、勤めていた産婦人科病棟で、手と医療器具を洗浄する消毒法によって、産褥熱による死亡率を0.85%にまで下げ、この考え方は瞬く間にハンガリー国内に広がりました。

医学界の権威がゼンメルワイスの発見を認めなかったために、何千人もの若い妊婦が命を落としましたが、最終的には彼の学説の正しさは立証されました。

ゼンメルワイスの例から見えてくること

医者の手洗いが笑われていた時代があったこと、私も調べていて初めて知ったので、かなり驚きました。それくらい、今の常識が昔の非常識だということです。

ここ最近、新型コロナウイルスCOVID-19の感染拡大が全世界的に深刻化してきています。今までにない感染力の強さで全世界的に猛威を振るっています。

そして、まだ誰も感染拡大やそれに伴う経済危機、世界大恐慌の危機を止める代案を提示していません。(私が知らないだけかもしれませんが、知っている人いたら教えてください)。私が知る限り、明確な代案を出してくれているのはNoh Jesuさんしかいません。

実はCOVID-19が問題なのではなく、人間が診断を間違っていることによって、防げることも防げていないのです。正しい診断さえできれば、ゼンメルワイスが死亡率を低下させたように、COVID-19の感染拡大もそれに伴う死者の増加も防ぐことができるはずでしょう。

※参考文献

「感染制御の父 イグナッツ・ゼンメルワイス」

https://www.bdj.co.jp/safety/articles/ignazzo/1f3pro00000sihs4.html